輪島屋善仁のブログ ”善仁だより”では、日々の工房の様子や商品のご紹介、奥能登の季節の便りなどをお届けしています。皆様からのご意見、ご感想もお待ちしております。


東長寺様でのお仕事のご紹介

当社ウェブサイト上では、過去に制作した内装やコラボレーションの仕事を少しずつですがご紹介しております。

今回、多年にわたりご厚情を頂戴しております東京・四谷の萬亀山東長寺様で制作させていただいた作例から、2015年に新築された文由閣での仕事をご紹介するページをアップいたしました。

東長寺文由閣 龍樹堂東長寺様は、かねてより新しい画期的な試みを積極的に実践して、大きな注目を集めてこられたお寺です。当社としても、東長寺様のお仕事を通じて漆の可能性を大きく広げる挑戦をさせていただいており、微力ながらもお手伝いをさせていただくことは大きな喜びとなっております。今回一部ではありますが掲載いたしましたので、その成果をぜひご覧ください。

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漆のスプーン

以前、あるお客様から伺ったお話です。

お客様のお母様が重い病気になり、神経もピリピリして食欲もなかっときに、「魔法のスプーンよ」と言って漆塗りのスプーンを口に入れてあげたところ、お母様はニッコリ微笑んで心が和み、食事も少しずつとられるようになったそうです。お客様はびっくりして、それ以来漆器が大好きになりました、とのことでした。
他にも、むずかっていた赤ちゃんに漆のスプーンを持たせたら途端にご機嫌になった、とお話しされていたお客様もおられました。

漆の優しい肌触り、口触りは、そんな風に無意識に人の心に強く働きかける力があるのでしょうか? 日本人は器を手に持って食事をしますが、長い歴史の中で器を目で見るだけではなく、肌で味わうという感覚も、しっかりと私たちの中に刻み込まれているのかもしれませんね。
漆塗りのスプーンを未体験の方は、その優しい口触りを是非一度味わってみてください。

スプーン大中小


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籠の内側の宇宙

3月に入りましたがまだまだ風は冷たいここ奥能登、それでも春の足音が遠くから少しずつ近づいてきているのを感じます。

というわけで春を感じる一品、「蒔絵小箱 梅に鶯」をご紹介します。

蒔絵小箱 梅に鶯

鳥籠を模した箱の中で、いち早く春の訪れを告げる紅白の梅に遊ぶウグイス。
籠の内と外の空間がぐるっと逆転して、箱を外から眺めているはずの私たちがいるのが実は籠の中、そして籠の内側には無限の空間が広がっています。

蒔絵小箱 梅に鶯

蓋を取ると、身に施された青い螺鈿が表すのは星屑や銀河でしょうか?
この小箱は掌に乗るくらいのとても小さな箱ですが、内側には遥かな宇宙を暗示させています。

Plum blossoms and a Japanese nightingale in the cage.
The space inside and outside the cage is reversed, infinite space spreads in the box.


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マグカップ のご紹介

こちらの商品は「マグカップ(古代溜塗/朱塗)」です。

漆器の場合、把手つきの器は塗りや研ぎの手数が格段に増えるためどうしてもコストが上がってしまうのですが、おかげさまで10数年前からずっと作り続けているロングセラーの一つです。
通常の器はなるべく軽く作るように心がけていますが、このマグは逆にしっかりとした安定感が感じられるように、持ってみるとやや重さを感じる厚めの木地に仕上げてあります。

マグ 下地中

この間工房を覗いたら、下地塗りが終わったマグがたくさん籠に入れられて、次工程の地研ぎ作業を待っているところでした。この後は本体と把手を別々に中塗りまで仕上げてから接着して、最後の上塗り作業に入ります。


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立山連峰を蒔絵で描く

こちらは現在製作中の、屏風の蒔絵の途中工程の様子です。
富山県のお客様からのご注文で、陽を浴びて紅く輝く立山連峰を描くことになりました。

屏風の蒔絵

屏風の蒔絵
通常の蒔絵では平らな塗面にすぐに筆で描いていきますが、この屏風では山の立体感を出すために、漆と砥の粉を混ぜてペースト状にした「サビ」というもので最初にレリーフを作っていきます。

その後、砥石やサンドペーパーで研いで形を整えていきます。

屏風の蒔絵

立山連峰の写真を何枚もじっくり観察し、ゴツゴツとした力感溢れる山肌をうまく表現できるよう、下絵の段階で十分に計画を立ててから実作業に入りました。

屏風の蒔絵

レリーフの成型が終わったら、漆で描いて金粉を蒔いていきます。

屏風の蒔絵

この後もまだ多くの工程がありますが、お客様の心の中にある故郷の山の姿を想像しながら、気持ちを込めて作業を進めたいと思っています。


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ポルシェの?…蒔絵エンブレム

当社の蒔絵職人が、愛車に取り付けるエンブレムを蒔絵で自作したそうです。

どこかで見たようなデザイン..というか、コレはどう見てもポルシェのエンブレムをパクっておりますが..(笑)、本人が言うには一応愛車のコペンと家で飼っている猫を描いてみたということです。

漆は紫外線に弱いので劣化しないか若干心配ですが、普段は黙々と作業に取り組んでいる(ように見える)職人も、日頃の腕を生かしてときどきこんなことをして人生を楽しんでおります。(笑)


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大きなパネルの上塗り

これは横浜市の神社からご注文頂いている大型の壁面パネルの上塗り作業の準備の様子です。このパネルはサイズも大きく重量も非常に重いので、2階にある上塗室に運んで作業するのが難しく、検討した結果下地塗り室の一角をシートで仕切り、その中で作業することになりました。

上塗りにはもちろんチリやホコリは厳禁!! ですので、普段は若干埃っぽい下地室をこれでもかというくらい念入りに清掃して、エアコンも止め、人の動きもなるべく少なくして、上塗りがいつもと同様に美しく仕上がるよう細心の注意を払って作業しました。


こちらは外から見た様子。中で作業している上塗師のシルエットが見えます。


無事に塗り上がりました! 外部の人間は中に入らない方がいいので、上塗師本人に撮影してもらいました。ここをカーテンで仕切って湿度を与え、漆を硬化させます。


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2017年の仕事始めです

本日5日、当社は2017年の仕事始めの日を迎えました。
年末年始の休みで十分に英気を養ってリフレッシュしたはず(?)の社員全員元気に揃い、工房に設えた神棚にお参りして、年始の朝礼を行いました。その後早速各々の仕事に取り掛かり、今年1年のスタートを切っております。

今年は酉年、鶏は中国では「文・武・勇・仁・信」の五徳を備えた生き物と言われています。私たちもそれに少しでもあやかれるように、また本年も社是である「漆芸史上最良のものづくり」を目指して一同頑張っていきたいと思っております。

皆様にとってもどうか充実した1年になりますよう、お祈りいたします。

2017仕事始め


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