輪島屋善仁のブログ ”善仁だより”では、日々の工房の様子や商品のご紹介、奥能登の季節の便りなどをお届けしています。皆様からのご意見、ご感想もお待ちしております。


上塗室で古いアートを発見 !?

当社には上塗室は新旧2ヶ所ありますが、先日古い方の上塗室の改装作業を行いました。長年の汚れを落として壁を新しく塗り直し、今までより明るく作業しやすい部屋になりました。

作業中、部屋の隅にあった古〜い道具棚を引っ張り出して裏面を見たところ、そこになかなか素敵なコラージュ作品が… 

上塗室の古いコラージュ

おそらく昔ここで上塗をしていた職人の手によるものでしょうが、雑誌やカレンダーの切り抜きがベニヤ板の上に無造作に貼られていて、よく見ると結構いい雰囲気になってます。中には若干色っぽい写真もありますね(笑)。

カレンダーの日付を見るとなんと昭和32年!ということは今から60年前。写真の下には今はもう廃線になってしまった能登線の時刻表が貼られていましたが、現在は車で2時間弱の輪島~金沢間の道のりが、当時は汽車で4時間もかかっていたことがわかります。

上塗室の古いコラージュ

それにしてもこれを作った職人さん、まさか60年後にこんな風にインターネットで自分の作品が世界中に公開されるとは夢にも思わなかったでしょうね〜(笑)


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花のデザートカップ

日ごとに暖かさが増してきました。輪島の町をぶらぶら歩いてみても、あちこちに色とりどりの花が咲いています。美しい季節になってきましたね。

というわけでショールームの商品から、こちらは「花型デザートカップ」です。

花型デザートカップ

器の上縁を花びらの形に加工して、食卓にもキレイな花を咲かせてみました。保冷性に優れているのでアイスクリームやぜんざいなどの冷たいお菓子にも適しています。お料理にも、例えばパーティでシュリンプカクテルなどに、和食でしたら珍味入れにも…と、幅広くお使いいただける器です。


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T様邸での蒔絵インテリア制作のご紹介

昨年、多摩市の静かな住宅地にお住いのT様ご自宅の一室に、造り付けの飾り棚の扉と壁面を黒漆塗り・四季草花蒔絵にて改装させていただきました。T様のご快諾をいただき、ご紹介ページを作成しましたのでお知らせいたします。

T様邸T様ご夫妻のご希望・ご指示をお伺いして図案を作成し、2期に渡った取付け工事を経て完成いたしました。
磨き上げられた呂色(鏡面)仕上げの黒漆と蒔絵の金の輝きが、落ち着いたお部屋に豪華さと気品をつけ加えております。ぜひご覧ください。

> T様邸 四季草花蒔絵パネル・扉 のページへ


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東長寺様でのお仕事のご紹介

当社ウェブサイト上では、過去に制作した内装やコラボレーションの仕事を少しずつですがご紹介しております。

今回、多年にわたりご厚情を頂戴しております東京・四谷の萬亀山東長寺様で制作させていただいた作例から、2015年に新築された文由閣での仕事をご紹介するページをアップいたしました。

東長寺文由閣 龍樹堂東長寺様は、かねてより新しい画期的な試みを積極的に実践して、大きな注目を集めてこられたお寺です。当社としても、東長寺様のお仕事を通じて漆の可能性を大きく広げる挑戦をさせていただいており、微力ながらもお手伝いをさせていただくことは大きな喜びとなっております。今回一部ではありますが掲載いたしましたので、その成果をぜひご覧ください。

> 東長寺様文由閣での仕事 のページへ


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漆のスプーン

以前、あるお客様から伺ったお話です。

お客様のお母様が重い病気になり、神経もピリピリして食欲もなかっときに、「魔法のスプーンよ」と言って漆塗りのスプーンを口に入れてあげたところ、お母様はニッコリ微笑んで心が和み、食事も少しずつとられるようになったそうです。お客様はびっくりして、それ以来漆器が大好きになりました、とのことでした。
他にも、むずかっていた赤ちゃんに漆のスプーンを持たせたら途端にご機嫌になった、とお話しされていたお客様もおられました。

漆の優しい肌触り、口触りは、そんな風に無意識に人の心に強く働きかける力があるのでしょうか? 日本人は器を手に持って食事をしますが、長い歴史の中で器を目で見るだけではなく、肌で味わうという感覚も、しっかりと私たちの中に刻み込まれているのかもしれませんね。
漆塗りのスプーンを未体験の方は、その優しい口触りを是非一度味わってみてください。

スプーン大中小


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籠の内側の宇宙

3月に入りましたがまだまだ風は冷たいここ奥能登、それでも春の足音が遠くから少しずつ近づいてきているのを感じます。

というわけで春を感じる一品、「蒔絵小箱 梅に鶯」をご紹介します。

蒔絵小箱 梅に鶯

鳥籠を模した箱の中で、いち早く春の訪れを告げる紅白の梅に遊ぶウグイス。
籠の内と外の空間がぐるっと逆転して、箱を外から眺めているはずの私たちがいるのが実は籠の中、そして籠の内側には無限の空間が広がっています。

蒔絵小箱 梅に鶯

蓋を取ると、身に施された青い螺鈿が表すのは星屑や銀河でしょうか?
この小箱は掌に乗るくらいのとても小さな箱ですが、内側には遥かな宇宙を暗示させています。

Plum blossoms and a Japanese nightingale in the cage.
The space inside and outside the cage is reversed, infinite space spreads in the box.


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マグカップ のご紹介

こちらの商品は「マグカップ(古代溜塗/朱塗)」です。

漆器の場合、把手つきの器は塗りや研ぎの手数が格段に増えるためどうしてもコストが上がってしまうのですが、おかげさまで10数年前からずっと作り続けているロングセラーの一つです。
通常の器はなるべく軽く作るように心がけていますが、このマグは逆にしっかりとした安定感が感じられるように、持ってみるとやや重さを感じる厚めの木地に仕上げてあります。

マグ 下地中

この間工房を覗いたら、下地塗りが終わったマグがたくさん籠に入れられて、次工程の地研ぎ作業を待っているところでした。この後は本体と把手を別々に中塗りまで仕上げてから接着して、最後の上塗り作業に入ります。


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立山連峰を蒔絵で描く

こちらは現在製作中の、屏風の蒔絵の途中工程の様子です。
富山県のお客様からのご注文で、陽を浴びて紅く輝く立山連峰を描くことになりました。

屏風の蒔絵

屏風の蒔絵
通常の蒔絵では平らな塗面にすぐに筆で描いていきますが、この屏風では山の立体感を出すために、漆と砥の粉を混ぜてペースト状にした「サビ」というもので最初にレリーフを作っていきます。

その後、砥石やサンドペーパーで研いで形を整えていきます。

屏風の蒔絵

立山連峰の写真を何枚もじっくり観察し、ゴツゴツとした力感溢れる山肌をうまく表現できるよう、下絵の段階で十分に計画を立ててから実作業に入りました。

屏風の蒔絵

レリーフの成型が終わったら、漆で描いて金粉を蒔いていきます。

屏風の蒔絵

この後もまだ多くの工程がありますが、お客様の心の中にある故郷の山の姿を想像しながら、気持ちを込めて作業を進めたいと思っています。


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