輪島屋善仁の考える”うるし”


うるしうるわし 日本の心 悠久の輝き

眉間寺椀+州浜枝菊japan=漆器の意味を持つほどに、漆器は日本を代表する工芸品、そして文化です。
私たちの祖先は、約9,000年以上も前から、食器や装身具、弓矢や甲冑などの武具、家具や建物にまで、身の周りのあらゆるものに漆を塗って生活してきました。
手や唇に伝わる暖かな漆の肌合い。風雪を経てなお深い味わいと美しさを湛えた朱漆の風合い。吸い込まれるような漆黒に映える蒔絵や沈金の輝き。小説家谷崎潤一郎は、著書『陰翳礼讚』のなかで、障子越しの柔らかな光に浮かび上がる蒔絵の美しさを、これぞ日本の美と絶賛しました。
漆は日本ばかりでなく、朝鮮や中国、東南アジアでも広く使われてきましたが、日本ほど漆を愛用し、漆芸の技を多彩かつ高度に練り上げてきた国はありません。漆はまさしく日本のこころなのです。


よみがえれ日本の心

古く森の民であった縄文の人々が暮らしていた時代から、漆器は精霊の宿る器として、また仏教伝来以後は仏の魂がこもる器として、日本人の精神構造の形成に深くかかわってきました。さらに中世以降、大衆化した漆器は土器食器を消滅させるほど日本人に愛されてきました。その後、漆黒と金色に輝く蒔絵はヨーロッパにもたらされ、漆器は”japan”と呼ばれました。

振り返って今日、明治と比べても日本漆の生産量は500分の1です。一般には生活環境の変化を衰退の第一としていますが、漆器製作の現場の精進が足りないからではないでしょうか。
小社は漆文化の復活をめざし、魂を救う器、史上最良の物づくりに励んでいます。小社の日本漆文化の復権運動の一端をご覧いただければ幸いです。
合鹿椀+南蛮酒器