回る御風呂

漆の乾燥には適切な温度と湿度が必要です。「乾燥」といいながら厳密には乾燥ではない、ということは以前にも触れましたが、漆の器に適度な温度と湿度を与える乾燥?スペースを、「風呂」と呼んでいます。
写真の風呂は上塗用の風呂、回転風呂です。露天風呂や水風呂、電気風呂など様々な風呂を耳にしますが、回転風呂はなかなか他所でお目にかかることのない、漆器にとっては実に心地良さそうな御風呂です。
漆の乾燥は時間を要します。漆を塗ったばかりの器を据え置いたまま乾燥すると、重力の影響を受けて均一な塗面に仕上がりません。そこで塗面が落ち着くまでの間、回転させながら乾燥させようと開発されたのがこの回転風呂です。古いものは錘で回転させていましたが、今はモーターでゆっくりと回転させています。やはり大切なのは温湿度管理。器がのぼせてしまわないように、上塗師は温湿度に目を光らせて、緊張の風呂上がりを待ちます。


カテゴリー: 工房だより・うるし話   パーマリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>