荘子の若い頃の職業は…?

中国の偉大な思想家、荘子。荘子が思想家として隠遁生活に入る前、一体何の仕事をしていたかご存知でしょうか?

実は荘子さん、若い頃は漆の畑を管理する役人として身を立てていたと言われています。
荘子の生きた戦国時代(紀元前4~3世紀)の中国では既に高度な漆器が作られていましたし、当時は漆が国に管理される貴重品だったことも窺えます。

茶色く濁った樹液が、人の手を経て美しい漆の器に変貌することをきっと荘子も知っていたと思いますが、後に万物斉同、無為自然…といった広大無辺な思想を生み出した荘子が、若き日に漆の木を眺めながら一体どんなことを考えていたんだろうか…?と、約2300年後の今、漆の仕事に携わる私たちとしてはちょっと興味のあるところです。

著書の「荘子」では、「無用の用」を説いている部分で「漆の木は役に立つから割かれる」として、「無用」とは逆の有用な木として漆の木に言及している箇所がありますので、引用してご紹介します。

山木は自ら寇(あだ)するなり、膏火(こうか)は自ら煎(や)くなり。
桂は食らうべし、故に之を伐る。漆は用うべし、故に之を割(さ)く。
人皆、有用の用を知るも、無用の用を知るなきなり。

山の木はまっすぐ伸びるから伐り倒され、
灯火は明るくなるから自らを焼かれる。
肉桂は食べられるから伐り倒され、漆は役に立つから割かれる。
人は皆有用の用は知っているが、無用の用を知るものはいない。
(「荘子」内編・人間世篇より)

下の写真は荘子の生きた中国・戦国時代の頃(紀元前4~3世紀)の漆器です。とても美しいですね。

中国古代漆器 _耳杯 中国古代漆器 _座屏
(「漆で描かれた神秘の世界 中国古代漆器展」図録より転載しました)


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