浄法寺の漆山を視察してきました
当社が岩手県浄法寺で植栽している漆が採取適齢期を迎え、先日工房の担当者が漆山の下見に行ってきました。1998年から2004年にかけて植栽した15,478本のうち、今年は約500本の木から採取する計画です。
幸い天候にも恵まれ、漆生産組合の組合長はじめ漆掻き職人の皆さん、林野庁、森林組合の職員さん計7名に同行していただき、さわやかな初夏の気候の中で漆掻きの現場を体感してきました。
入山口。ここは1999年の植栽地、3,240本あります。
入口は細い木が密集していましたが、奥に進むほど幹が太くなってきました。
漆掻き職人さんが、自分の掻く木に印をつけ今年の作業がスタートします。
山の中は足場の悪い斜面も多い上に、漆掻きの前にまずは膨大な下草刈り等の作業もあります。こうして実際に現場に足を踏み入れてこれからの職人さんたちの作業を想像してみると、ご苦労の多い大変な仕事だと痛感させられました。
時には熊が出没(!)することもあるそうで、特に朝早くと夕方は危険だそうです。このような過酷な作業環境の中で採取されることから、「漆は血の1滴」と昔からよく言われてきましたが、今回改めて私たち工房としても、最後の1滴に至るまで大切に使っていかなければ…との思いを新たにしてきました。
ツキノワグマの爪痕です。
2003年の植栽地。このあたりは生育が若干遅れ、保育が必要です。
お世話になった浄法寺の皆さん、本当にありがとうございました。これからの作業、呉々もお気をつけてお願いいたします。