秋草蒔絵歌書箪笥〜優品に学ぶ
5月14日より名古屋市のノリタケの森ギャラリーにて開催いたします輪島屋善仁 工房展出品作の中から、製作風景をご紹介します。
この写真の秋草蒔絵歌書箪笥(京都国立博物館・重要文化財)は、桃山時代の高台寺蒔絵を代表する名品として非常に有名です。今回の ”優品に学ぶ” 企画では、この大作の再現に挑戦しました。
(写真は中央公論社刊「蒔絵Ⅲ」より)
高台寺蒔絵は、明日の命も知れぬ武士の時代の精神を表しているとされ、その技法は簡略ながらデザインは斬新。この歌書箪笥は、一瞬の儚い生命の輝きを謳歌するかように生い茂る秋草が、生き生きとした筆致で器物の全面に描かれています。
本体の蒔絵中
今回の再現にあたっては、当工房蒔絵部のベテランと若手の蒔絵師が作業を分担して、協力して製作に取り組んでいます。円熟の技と、若さの勢いの相乗効果(笑)で、この名品にどこまで迫れているでしょうか? ぜひ展示会場でご高覧ください。
こちらは引き出しの蒔絵中です