御所車の製作
いよいよ来週14日(火曜日)より、名古屋市のノリタケの森ギャラリーにて輪島屋善仁 工房展が始まります。引き続き、出品作からご紹介します。
こちらは「御所車」です。中塗が済んで仮組みをしてみた状態です。今回は二段の宝石箱として作りました。木地は指物、刳り物、挽き物を総動員しています。
御所車=牛車は、中国の後漢の献帝が長安から脱出する際に牛車に乗って洛陽に辿り着いたという故事があり、そこから貴人が牛車に乗るようになったそうです。
絵巻物に描かれた御所車 「石山寺縁起」より
日本では平安時代に皇族や貴族の乗り物とされ、権威を示すために重厚な造りや華やかな装飾性が求められました。絵巻物にも豪華絢爛な御所車が数多く描かれています。後に雛人形の道具として、「玉の輿に乗れるように」「裕福な家庭に嫁げるように」との願いを込めて飾られるようになりました。
金粉を蒔いています。
蒔絵はかの時代の雰囲気を伝える豪華なものをと考え、四季の草花を高蒔絵できらびやかに描いています。日本ならではの床飾りの秀作となるよう、マリー・アントワネットが収集した蒔絵コレクションを念頭に製作にあたりました。ぜひ会場でお確かめください。